雨の日は会えない、晴れた日は君を想う
素敵なタイトルです。
「ショーシャンクの空に」以来のおしゃれなタイトルではないでしょうか。
最近見た映画ある?と聞かれて、この映画の名前をさらっと言えたらかっこいいですね。
デートや婚活にも使えそうだし、それだけでも観る価値あります。
あらすじ
主人公デイヴィッドは義父の経営する金融会社に勤めるサラリーマン。
いつものように妻の運転する車で通勤する途中、不慮の事故を遭い、妻は亡くなってしまう。
病院で妻の死を聞かされたデイヴィッドだが、不思議と涙も出なければ悲しくもならない。
あげくのはてには葬式が終わるとすぐに出勤して同僚を驚かせる始末。
そんな冷静な自分に驚き、本当は妻を愛してなかったのではないかと思い悩む。
しだいに冷蔵庫を破壊したり朝の通勤電車を停車させたりと、奇妙な行動をとるようになり、義父からも絶縁される。
しかし、ある女性と出会ったことで、心の奥底に眠っていた感情を取り戻していくのだが、最後に彼がとった行動とはー。
ざっとこんな話ですが、映画を観る前までは、妻を亡くした男の心の内面、葛藤を丁寧に描いた情緒あふれる作品だろうと思っていました。
製作側も、妻を愛してなかった、誰に対しも無関心だったと思い悩む主人公の心の葛藤、再生を暗喩だの隠喩だのを駆使して描きたかったのでしょうが、残念ながら、そのような繊細な感情や心のひだは伝わってきませんでした。
そもそも映画が始まってすぐに主人公の妻が亡くなってしまうため、夫婦で過ごす場面が少なすぎて、主人公のデイヴィッドが本当は妻を愛していたのか、最初から好きではなかったのか、いまいちわかりませんでした。
そんな状態なので、
「ああ、妻を亡くしても涙が出ないよ。俺は本当は妻を愛してなかったのか!!!!」
なんて叫ばれましても、奥さんが無くなる前のエピソードがほとんどないので、観ているこちらは何もわかりません。
主人公が勝手に思い悩んでモノを壊し始めるのを、じっと見守るしかないのです。
主人公についても詳しくは描かれていませんが、27歳で義父の会社に勤めてから、感情を押し殺して生きていくうち、しだいに周囲に対しても無関心となっていったのでしょう。
そんな主人公の何事にも無関心な一面がよく表れているシーンがあります。
主人公が妻の父とお洒落なバーで話をしている場面で、義父が「この店は飲食のレベルに比べて値段が高い」と冗談めかして言ったときのこと。
デイヴィッドはしばらく黙ったあと、「雰囲気ですよ、雰囲気。雰囲気に金を払ってるんです」と返します。
そんな誰でも思いつく理由をもったいつけて言うところに主人公の無関心さ、普段からものを深く考えない姿勢がよく表れています。
また、主人公がジュースの自販機が故障したことでカスタマーサービスに手紙を書くシーンがあります。
故障の内容だけを書けばいいものを、妻をなくしたところから始まり、自分の身の上をつらつらと書き記していくのですが、村上春樹のカンガルー通信という短編小説を思い出させますね。
いろいろ書きましたが、この作品、つまらないわけではありません。
物語の展開はスピーディで、ストーリーに意外性もあり、飽きずに観ることができます。
登場人物も限られているので、途中でこいつ誰だっけ?と頭を悩ますこともありません。
ながらでも観ることができちゃいます。
1時間40分の短い映画ですが、観ている間は十分に楽しめました。
暇つぶしには最適だし、とくにこんな人におすすめです。
ちょっとおしゃれなタイトルの映画を楽しみたい
でも面白くないといやだ
他人に関心がない
自分の本心なんて、自分でもわからないと思っている
そうしたナイーブで繊細な感性をもつ人なら、もっと違った楽しみ方ができるかもしれませんね。
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