ゆらり
親子、夫婦の愛を描いたタイムトラベルものです。
とはいえSFというよりは家族愛を描いた心温まる映画で、この手のSFが苦手な方でも好きになれそうです。
総合評価
評価としては、タイムトラベルがいつ始まるんだろう?という興味がなければ、最後まで見れなかったかもしれないです。
ストーリーがつまらないというわけではありません。
ややベタな家族愛の話であるけれど、出演している役者さんはみな演技が達者で、物語にぐいぐい引き込まれます。
話の展開がけっこうややこしいんです。
途中、誰が誰かわからなくなって、アマゾンプライムのサイトであらすじとキャストを何度も確認してしまいました。
登場人物の顔と名前をしっかり覚えてないと、ラストは完全に置いていかれます。
母ー娘ーその娘、という3世代の女性が主人公。
映画では現在、未来、過去の3部構成になっています。
でも、見てよかったです。
涙腺崩壊しました。
あらすじ(今回はネタバレ。でも最後は伏せてます)
時系列でいうと、
母が美和(鶴田真由)
その娘の凜香(岡野真也)
さらに凜香の娘、ゆかり(内山理名)
物語は第一部、凜香のパートから。民宿の女主人である凜香は娘のゆかり(子役)に冷たくあたり、それが原因で狂言誘拐に発展。さらに宿泊客を装った男女が、民宿の女性従業員の身辺を探りはじめる。その理由とは・・。
第二部。シングルマザーのゆかり(内山理名)は息子と二人暮らし。あるとき、神様はいると信じる息子のため、神様ポストを用意する。ポストに手紙を投函すると、神様から手紙が返ってくるというもの。息子は喜んで毎日手紙を出し、神様からの返事も毎日あった。もちろん返信の手紙は母親のゆかりが書いていたのだが、ある日ゆかりが入院してしまい、返事が書けなくなってしまう。だが神様から手紙は届いていた!
第三部。凜香は女優の夢を諦めて東京から実家に戻ったが、母の美和に冷たくあたってしまう。女優を諦めたのも母のせいだと責める。ある日、凜香はリビングのソファで、時間を巻き戻すリモコンをみつける。なんとなくスイッチを押してみると・・。
みどころ
母から娘、さらにその娘へと受け継がれる愛情。
親子の愛情がテーマ。
あの時ああしておけば。ちゃんと伝えておけば。
実際にそうした思いや後悔を抱えて生きる人にとってはもちろん、そうでない人にとっても、想像しただけで涙腺がゆるむエピソードが満載です。しかもベタなくらい直球勝負。
下手したら興ざめするかもしれないくらいの話ですが、不思議とそうはなりませんでした。
3部構成にはちゃんと理由があるのです。
第一部のエピソードで暖かい親子愛に触れて心をゆるーくさせられます。
でもまだ泣きはしません。
涙腺メーターは30%。
第二部で60%。
うっすら涙が浮かびます。
こうして徐々に涙腺メーターを満タンにさせておいて、第三部で一気に崩壊させるのです。
よく練られてます。
いや~、参りました。
まず、なんといっても、子役がいい味だしてるんです。
天真爛漫なザ・子役といった役どころで、泣きを誘うシーンなどは「あざとい」と言えば「あざとい」。
でも、一周まわって「こういうのでいいんだよ」と思わせてくれます。
見た目や味を追求した意識高い系ラーメンに飽きて、シンプルな醤油ラーメンに戻るみたいなもんですかね。
褒め言葉です。
母親役の鶴田真由さんの切ない表情もいいんですよ。
映画のあとは、顔見ただけで泣きそうになりますね。
ただし、タイムトラベルが始まってからの展開は、ちょっとドタバタな印象です。
映画が「世にも奇妙な物語」のような、ちょっとドラマっぽい、軽い調子になったのが気になりました。
もっとも「世にも奇妙なー」をディスってるわけではなく、自身、子供の頃からの大ファンで、とくに「時の女神」は最高傑作だと思ってます。
まとめ
こんな人におすすめ
・タイムトラベルものは一通り押さえておきたい
・親子愛に触れて泣きたい
・映画「サマータイムマシンブルース」を見た
・世にも奇妙な物語が好きだ
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